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​コラム

【郡山市】水害エリアの土地は売れる?台風19号の浸水履歴がある土地の売却方法と注意点

執筆者の写真: 五十嵐 慎吾
五十嵐 慎吾
7月23日
読了時間: 11分

こんにちは、五十嵐です!


セントラル不動産株式会社のコラムをご覧いただきありがとうございます。


郡山市で土地を所有している方から、次のようなご相談をいただくことがあります。


・「ハザードマップに色が付いている土地でも売れますか?」

・「台風19号で浸水した土地を相続したが、買い手は見つかりますか?」

・「水害履歴を買主へ伝える必要はありますか?」

・「水害エリアだと、土地の価格は大きく下がりますか?」


結論からお伝えすると、郡山市の水害エリアにある土地でも売却は可能です。


実際に、浸水想定区域内にある土地でも、生活利便性、道路条件、価格、土地の広さ、建築時の対策などを総合的に判断して購入する方はいます。


ただし、水害リスクのない土地と比べると、買主が慎重になりやすく、売却方法を間違えると長期間売れ残る可能性があります。


今回は、郡山市の水害エリアにある土地を売却するときの注意点と、買主に選ばれやすくするためのポイントを解説します。


■郡山市の水害エリアでも土地は売れる?


水害エリアにあるという理由だけで、土地が売却できなくなるわけではありません。


買主が土地を選ぶ際は、水害リスクだけではなく、次のような条件を総合的に比較します。


・土地の相場

・学校やスーパーへの距離

・土地の広さや形状

・前面道路の幅

・上下水道などの設備

・想定される浸水の深さ

・過去の実際の浸水状況


例えば、ハザードマップ上では浸水想定区域に入っていても、周辺相場より価格が適正で、生活利便性が高く、建築時に水害対策を取りやすい土地であれば、購入を検討する方はいます。


反対に、実際の浸水履歴が分からないまま販売したり、水害リスクに対して価格が高すぎたりすると、問い合わせにつながりにくくなります。


■郡山市では台風19号による大きな浸水被害が発生した


2019年10月の令和元年東日本台風、いわゆる台風19号では、郡山市内の阿武隈川や支流周辺を中心に大きな浸水被害が発生しました。


郡山市が2019年11月28日時点で公表した資料では、浸水被害を受けた世帯は最大約2万1,331世帯と推定され、罹災証明申請時の申告では、床上浸水6,931件、床下浸水956件とされています。


公式資料では、阿久津町、石渕町、田村町上行合・下行合・御代田・徳定、日和田町八丁目、若葉町、富久山町久保田、安積一丁目などで、河川の越水、溢水、堤防決壊などが確認されています。


ただし、これらの町名に該当する土地が、すべて同じ被害を受けたわけではありません。

同じ町内でも、土地の高さ、河川からの距離、堤防や道路との位置関係によって、浸水状況は異なります。


■「ハザードマップに色がある土地」と「実際に浸水した土地」は分けて考える


水害エリアの土地を売却するときは、次の2つを分けて整理する必要があります。


1.将来の浸水が想定されている土地

洪水ハザードマップや内水ハザードマップで、想定浸水区域に指定されている土地です。

これは、一定の条件による降雨や河川氾濫が発生した場合のシミュレーションです。


2.過去に実際の浸水被害を受けた土地

台風19号などで、敷地への浸水や建物の床下・床上浸水が実際に発生した土地です。


この2つは同じではありません。


ハザードマップに色が付いていても、台風19号では浸水していない土地があります。


反対に、河川から離れていても、側溝や下水道の排水能力を超える内水氾濫によって、道路や敷地が冠水する場合があります。


郡山市は、洪水・内水・土砂災害など複数のハザードマップを公開しています。


土地を売却する際は、一つの地図だけでなく、住所ごとに複数のリスクを確認することが重要です。


■水害エリアの土地が売れにくくなる理由


水害エリアの土地が一般的な土地より売れにくくなることがある理由は、主に次のとおりです。


・再び浸水することへの不安

買主は、将来大雨が降ったときに住宅や車、家財が被害を受けないかを心配します。


・建築費が高くなる可能性がある

敷地の盛土、基礎のかさ上げ、電気設備の設置位置など、水害対策を行う場合は建築費が増えることがあります。


・火災保険の内容を慎重に確認する必要がある

建物を建築する場合は、火災保険の水災補償や保険料も購入判断に影響します。


・将来の売却への不安

買主自身が将来売却するときに、同じように買い手が慎重になることを心配する場合があります。


・過去の被害状況が分からない

売主から十分な情報が提供されないと、買主は実際以上に大きなリスクを想像することがあります。


そのため、水害リスクを隠すよりも、分かっている情報を整理して正確に伝える方が、買主の不安を減らしやすくなります。


■水害エリアだと土地価格はどのくらい下がる?


水害エリアだからといって、一律に「何%下がる」と決めることはできません。


土地価格への影響は、次の条件によって大きく変わります。


・想定浸水深

・実際の浸水履歴

・床上浸水、床下浸水、敷地冠水の違い

・阿武隈川や支流からの距離

・土地の高さ

・盛土や造成の可否

・生活利便性

・前面道路や土地形状

・周辺の売出事例と成約事例

・住宅用地か事業用地か


例えば、同じ浸水想定区域でも、想定浸水深が浅い土地と、3メートル以上の浸水が想定される土地では、買主の受け止め方が異なります。


また、台風19号の際に敷地まで水が来なかった土地と、建物が床上浸水した土地を、同じ基準で査定することはできません。


適正価格を判断するには、ハザードマップだけでなく、過去の被害状況と周辺の取引事例を合わせて確認する必要があります。


■浸水履歴は買主へ伝える必要がある?


水害ハザードマップにおける対象物件の所在地については、2020年8月から、不動産取引における重要事項説明の対象に追加されています。


宅地建物取引業者は、水防法に基づいて作成された水害ハザードマップを使用し、売買対象となる土地や建物の位置を買主へ説明します。


一方、過去の浸水履歴については、すべてのケースに一律の説明方法が定められていると単純には言えません。


しかし、売主が把握している浸水履歴が、買主の購入判断に重要な影響を与える可能性がある場合は、事前に不動産会社へ伝え、説明内容を整理しておくことが重要です。


売却後に、


・「台風19号で浸水していたことを知らなかった」

・「敷地まで水が来ていた説明を受けていない」

・「土地の排水状況を聞いていなかった」


といったトラブルになることを防ぐためにも、分かっている事実を隠さないことが基本です。


■水害エリアの土地を売りやすくする7つのポイント


1.最初から適正価格で売り出す


水害リスクを考慮せず、リスクのない周辺土地と同じ価格で販売すると、長期間売れ残る可能性があります。


売れない期間が長くなると、「何か問題がある土地ではないか」と受け取られることもあります。


周辺の売出価格だけでなく、成約事例や土地条件を確認して価格を設定しましょう。


2.水害リスクを曖昧にしない


「たぶん大丈夫です」「昔は浸水していません」といった曖昧な説明は、買主の不安を大きくします。


・ハザードマップ上の想定浸水深

・台風19号当時の被害状況

・河川や水路との位置関係


など、客観的に確認できる情報を示しましょう

。

3.土地の高さを確認する


同じ地域でも、周辺道路より高い土地と低い土地では、浸水リスクの受け止め方が変わります。


現地で確認するだけでなく、必要に応じて測量や高低差の確認を行うと、買主へ説明しやすくなります。


4.建築時の水害対策を提案する


買主が住宅を建築する土地であれば、建築会社と連携して次のような対策を検討できます。


・敷地の盛土

・基礎の高さを上げる

・電気設備を高い位置に設置する

・給湯器や室外機の設置位置を工夫する

・止水板を設置できる計画にする

・1階に重要な設備や家財を集中させない


実施できる対策は土地の条件や法令によって異なるため、建築会社や専門家による確認が必要です。


5.土地のメリットも具体的に伝える


水害リスクだけを説明すると、買主にはデメリットしか伝わりません。


次のようなメリットがあれば、同時に伝えることが大切です。


・駅や勤務先に近い

・買い物施設が充実している

・土地が広い

・前面道路が広い

・建築条件がない

・周辺相場より価格を抑えている

・事業用地として利用しやすい


水害リスクを正直に説明したうえで、その土地を選ぶ合理的な理由を示します。


6.住宅用地以外の需要も検討する


住宅用地として反応が弱い場合は、土地の立地や用途地域によって、次のような利用方法も考えられます。


・駐車場

・資材置場

・事務所や店舗用地

・倉庫用地

・事業用地

・近隣所有者への売却


ただし、用途地域、接道、農地法、開発許可などの条件によって利用できない場合があります。


7.仲介と不動産買取を比較する


水害エリアの土地には、主に次の売却方法があります。


・仲介で売却する


一般の買主を探す方法です。

時間がかかる可能性はありますが、買取より高く売れる可能性があります。


・不動産会社へ買い取ってもらう


不動産会社が直接購入する方法です。

価格は仲介より低くなる傾向がありますが、販売期間を短くしやすく、買主対応の負担を減らせる場合があります。


相続、住み替え、納税などで売却期限がある場合は、仲介だけでなく買取価格も確認しておくと判断しやすくなります。


■売れにくい土地に多い特徴


水害エリアに該当するだけでなく、次の条件が重なると売却の難易度が上がります。

・想定浸水深が大きい

・台風19号で実際に床上浸水している

・周辺道路より土地が低い

・河川や水路に近い

・前面道路が狭い

・土地の形が悪い

・住宅を建てるために多額の造成費がかかる

・境界が確定していない

・建物の解体費が必要

・売出価格が相場より高い


このような土地は、「水害エリアだから売れない」のではなく、複数のマイナス条件に対して価格や売却方法が合っていないことで、売れにくくなっている場合があります。


■水害を受けた建物が残っている場合はどうする?


土地上に台風19号などで浸水した建物が残っている場合は、土地だけの売却より確認事項が増えます。


・床下や壁内部の腐食

・断熱材の交換状況

・カビや臭い

・電気設備の交換状況

・基礎や構造部分への影響

・浸水後の修繕履歴

・建物を残して売るか、解体して土地として売るか


建物に利用価値が残っている場合は、中古住宅として売却できる可能性があります。


一方、修繕費が高額になる場合や、買主が建物を利用しにくい場合は、古家付き土地または更地として販売した方がよいケースもあります。


ただし、売却前に解体すると、固定資産税や解体費用、再建築の可否などに影響する可能性があります。


査定を受ける前に解体を決めるのは避けた方が安全です。


■五十嵐からのワンポイントアドバイス


水害エリアの土地を売却するときに大切なのは、リスクを隠して高く見せることではありません。


買主が不安に感じるポイントを先回りして調査し、

・どのような水害リスクがあるのか

・台風19号では実際にどうだったのか

・土地の高さはどうなっているのか

・どのような対策が考えられるのか

・そのリスクを踏まえて価格は適正か

を分かりやすく示すことが重要です。


水害履歴のある土地でも、立地、価格、利用方法に納得できれば購入を検討する方はいます。


反対に、説明が曖昧な土地は、価格を下げても買主から避けられる可能性があります。


まずは住所単位で水害リスクを調査し、その土地に合った売却方法を考えましょう。


■よくある質問


Q. ハザードマップに色が付いているだけで土地価格は下がりますか?

A. 必ず価格が下がるとは限りません。ただし、想定浸水深、実際の浸水履歴、土地の高さ、周辺需要などが購入判断に影響します。水害リスクのない土地と単純に同じ条件で比較することはできません。


Q. 台風19号で浸水した土地でも売却できますか?

A. 売却できます。実際の浸水状況、被害の程度、その後の工事内容などを整理し、リスクを踏まえた適正価格で販売することが重要です。


Q. 浸水したことを黙って売却できますか?

A. おすすめできません。売主が把握している事実は、まず不動産会社へ正確に伝えてください。買主の判断に重要な影響を与える情報を説明せずに売却すると、引き渡し後のトラブルにつながる可能性があります。


Q. 罹災証明書をなくしていても売却できますか?

A. 売却自体は可能です。残っている写真、修繕記録、保険関係の資料などを確認し、分かる範囲で被害状況を整理します。不明なことを推測で断定しないことが重要です。


Q. 水害エリアの土地は不動産会社に買い取ってもらえますか?

A. 土地の立地、面積、接道、用途、価格などによっては買取が可能です。ただし、すべての土地を買い取れるわけではなく、仲介価格より低くなる傾向があります。


■まとめ


郡山市の水害エリアにある土地や、台風19号で浸水した土地でも売却は可能です。


ただし、一般的な土地より買主が慎重になるため、次の対応が重要です。


・洪水と内水のハザードマップを確認する

・台風19号当時の被害状況を整理する

・土地の高さや排水状況を確認する

・確認できた浸水履歴を正確に伝える

・水害リスクを踏まえた適正価格を設定する

・建築時に考えられる対策を示す

・仲介と買取を比較する


水害エリアだから売れないと決めつける必要はありません。


同じ町内でも、実際の浸水状況や土地の条件は異なります。


セントラル不動産株式会社では、郡山市のハザードマップ、台風19号の被害状況、土地の高さ、周辺の取引事例などを確認しながら、一つひとつの土地に合った売却方法をご提案します。


「水害履歴があるため、他社に売れないと言われた」

「相続した土地が浸水エリアに入っている」

「仲介と買取のどちらがよいか分からない」


という方も、まずは現在の状況をご相談ください。


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